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1 2009/2010年の新型インフルエンザ・パンデミック

メキシコに端を発した2009年の新型インフルエンザ・パンデミックによる国内での死者は2010年5月26日時点で199名と報告されており、感染者はおよそ2100万人と推定されています。

パニック的な対応も問題となりましたが、早期の学級閉鎖・感染者の自宅待機、早期の適切な治療、手洗い・うがい・咳エチケット徹底などの対策もあり、国際的な比較でも日本国内の死亡率は低いものとなっています。

季節性インフルエンザによる超過死亡数がシーズンによっては1万人超であることを考慮すると、今回のウイルスの毒性は高くなかったと言えますが、季節性インフルエンザと比較して肺炎を起こしやすい、乳幼児や高齢者以外の年齢層でも重症化する例が目立つなど注意を要する点も指摘されています。またウイルスの変化の可能性もあることから、今回の経験を活かし、油断することなくより有効な備えをすることが、個々人にとっても企業にとっても課題となるでしょう。

2 インフルエンザとは

インフルエンザと風邪はよく混同されますが、別のものです。風邪の病原体は種々のウイルス、一部はある種の細菌によって起こるとされています。他方、インフルエンザは「インフルエンザウイルス」と呼ばれるグループのウイルスによって起こります。

症状も異なり、風邪では咳や鼻・のどなどの症状が中心で熱も38℃台までに留まることが多いのに対し、インフルエンザでは急に発症する高熱や全身の関節痛など、全身の強い症状が特徴です。感染経路には咳・くしゃみによる飛沫感染、手などからの接触感染の二つがあります。

このインフルエンザウイルスには多くの種類がありますが、共通点として、1)脂質二重膜で覆われておりアルコール消毒や石鹸での洗浄が有効、2)遺伝子がDNAではなくRNAというより不安定な物質に記録されており、かつそのRNAが8本に分割されているため、RNAの変化、他のRNAとの混合などで新種のウイルスが発生しやすい、3)表面にあるさまざまな物質により大まかに分類される、といった特徴があります。