ちば産保コラム
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不思議な(?)宇佐神宮との邂逅
監督署長
木更津労働基準監督署長 渡邉 秀明
皆さんは宇佐神宮をご存じでしょうか?
大分にある神社ですが、全国にある八幡宮の総本宮って言うと多少は親しみを持てるのでしょうか?鎌倉の鶴岡八幡宮は関東人ならご存じでしょうから。
私が宇佐神宮の存在を知ったのは小学校の時で宇佐神宮神託事件(称徳天皇の寵臣弓削道鏡を天皇の地位に就ければ国が泰平に治まるとの神託に端を発する騒動)で名前を知るのですが、中学の時、不思議に思ったのを覚えています。
神宮の名が付いているので皇祖神と関係があるのでしょうが、皇祖神と言えば伊勢神宮の天照大神であって、何故九州の片田舎の神社の託宣で騒動が起きたのでしょうか?
また、託宣の真偽を確認するのであれば、天照大神にするべきで、奈良から伊勢までのほうが近いのに何故大分に行かねばならなかったのでしょうか?
この二つの疑問について、すっかり忘れた大学の時、高木彬光の『邪馬台国の秘密』を読んでいたら、卑弥呼は宇佐神宮の比売大神として祀られ、邪馬台国は宇佐にあったと…(ネタバレごめんなさい)。
そして、25年前、別府から福岡に向けて車で走っていたら、全く何もない田舎道に突如現れた巨大な神域、それが宇佐神宮でした。この時の連れは全く歴史・神仏に興味のない奴だったので、「ちょっと寄ってみよう。」の一言が言い出せず、私の宇佐神宮との関わりは潰えたかに思えたのでした。
それが昨年、親族の集まりで熊本県の阿蘇に行ったのですが、1日で解放されたので2日目は宗像大社と関門海峡を見て、3日目は小倉から特急で宇佐へ。宇佐に近づくと、小高い丘にUSAの文字を発見!何故、アメリカが?ローマ字読みすると分かりますよ。
宇佐駅前には喫茶店もなく、30分バスを待ち、宇佐神宮へ。漸く、宇佐神宮に到着。
強い日差しの中、小高い丘にある本宮を目指し、広大な神域を歩きます。宇佐神宮の祭神は八幡大神(応神天皇)、比売大神、神功皇后で、参拝作法は二礼四拍手一礼、これは出雲大社と同じ参拝方式で通常の神社とは異なります。本宮にはそれぞれの祭神が祀られ、100円ずつ納めて参拝を終えたら、「下宮参らにゃ片参り。」の文字が…。
ヘロヘロなのに本宮から下宮を探します。木陰なので直射日光は遮られていますが、とにかく暑い。漸く下宮を見付け、参拝しようとしたら100円玉が切れ、10円玉しか残っていませんでした。
気力と体力と100円玉を失った私は宝物庫を見ることもせず、とり天と団子汁を食べに参道へ。空腹を満たし、バスの時間を確認したら1時間も空いてしまいました。中学の時から40年、やはり宇佐は遠いと再確認しただけの旅でした。