独立行政法人 労働者健康安全機構 千葉産業保健総合支援センター

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ちば産保コラム

  • オンライン方式による「治療と仕事の両立支援」事業所内研修

    保健師コラム

    産業保健専門職 長尾和枝

    京葉工業地域に位置する製造業のA事業所様から「治療と仕事の両立支援」の意識啓発研修のご希望がありました。

    A事業所様は、従業員数約300人。勤続年数20年以上のベテランの産業看護職の方が、従業員の健康管理を担当されています。従業員の皆さんの若い頃を知っている、お姉さんのようなお母さんのような頼れる存在の方です。個々の従業員から相談を受け、病気を抱えながら働く人を支援されていらっしゃるとのことでした。

    研修の開催方法は、A事業所内で使用しているシステムを利用したオンライン方式で、私は事業所の会議室にうかがい、その場所から発信させていただきました。

    オンライン方式は、参加いただいている方の反応を見ながら話を進めることが難しいというデメリットもありますが、当日は他県の事業所様からのご参加もあったとのことですので、オンライン方式の大きなメリットである遠方の人に情報提供をする機会にもなりました。

    研修の最後に、事業所の担当者様が、「うちでは、治療と仕事の両立支援に取組んでいます。一人で悩まず相談してください。相談を受けた管理職の人も困ったら、相談に来てください」と締めくくられました。今、健康経営に力を入れて取り組まれていらっしゃる事業所様が多いかと思います。A事業所様に提供させていただいたような事業所内での意識啓発研修をご利用いただき、「治療と仕事の両立支援」に取組んでいく姿勢を従業員に表明する機会として有効活用していただけたらと思います。

    A事業所様の今回の研修目的のひとつに、元気な管理職及び労働者に、疾病を抱えた従業員への理解を深める機会にしたいということがあり、制度の説明だけではなく、自分に置き換えて考えられるような具体的な話を入れてほしいというご希望がありました。元気な時の自分は、病気の自分を想像しにくいものです。いつかは病気になるかもしれないとは思っているかもしれませんが、「まさか、自分が!」と、病気になって初めて強く感じます。実感としてなかなか感じにくいからこそ、繰り返し意識啓発していくことが必要になります。また、実際の事例が従業員様に発生した場合、例えば、主治医との情報交換には相応の時間を要します。ただ制度を知るだけではなく、どのような状況が想定されるのかを理解し準備をしておくことが、事業所様には重要なことと考えます。

    千葉産業保健総合支援センターでは、「治療と仕事の両立支援」の導入支援として、制度の説明や両立支援が必要な状況をイメージしやすいよう具体例を交えた意識啓発研修及び事業場内の整備に関する支援、また、疾病を抱えた従業員様の個別調整支援等をおこなっております。支援はすべて無料です。どうぞ千葉産業保健総合支援センターのホームページ「治療と仕事の両立支援」をご覧いただき、お申し込みください。